ブラジル戦、危機感を捨てる覚悟。日本代表・遠藤航「世界への大航海」
連載・世界への大航海「日本代表への覚悟」
メンタルの持ち方でピッチ上の表現が変わる
アンカーとして先発した先の10月10日ハイチ戦。3失点という結果はあってはならないものです。一方で手応えを感じるプレーもあり、課題と収穫をこれからの糧にしていこうと考えていました。ある意味、前向きに取れる感覚ですが、試合後、数日経ってふとこの考えは自分にとって前向きではないのではないか、と思うようになりました。
もしこれがA代表のレギュラーの選手だったら同じことを思うだろうか?
自分のなかで「当落線上の選手」だと考えているから出てくる発想なのではないか?
考えてみると、当落線上だという危機感を持ってプレーするのと、レギュラーとしていい意味で余裕を持ってプレーするのでは、試合における選択肢が変わってきます。
ハイチ戦は、どちらかといえば「危機感」が強すぎて「チームの方針ややり方を徹底していく」「求められていることができる」というアピールに走ってしまったところがありました。試合展開のなかで「指示とは違うけれどこっちの選択をしたほうがいいのではないか」という積極的な判断に対して消極的になってしまうシーンがあったのです。
中盤の選手にとって試合で勝つためにもっとも必要な判断であるにもかかわらずです。実際、長い間代表に呼ばれ、ハリル監督からも信頼が厚い長谷部さんはそういう能力があるからこそ、第一線で活躍できるのだと思います。
危機感は大事です。ただ、ちょっと調子に乗った言い方にはなってしまいますが「当落線上とか関係なく、代表として勝つために当たり前にプレーしているよ」くらいの自信を持ってピッチに臨むことも必要なのではないか、いまはそう感じています。それくらい大事なポジションを預かっているのだと思います。目標とするロシアワールドカップまでに僕がそのレベルに追いつくことができるかは未知数ですが、目指さなければ何もはじまりません。
ブラジル代表、ベルギー代表。いずれのメンバーを見てもビッグネームばかりです。
なかでもブラジル代表のメンバーには苦い記憶があります。